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未来につながるまちづくり部門
佐賀県
唐津めしんしゃー漁師飯で漁村活性化
職員
嘉村 瑠衣
NPO法人 浜-街交流ネット唐津は、玄海地区漁業の後継者不足や高齢化及び経営体数の減少により産地機能が低下するなかで、未来へ向けて漁業を存続させるために漁業者自らが設立した組織です。漁業活性化のために、消費者向け魚料理教室や漁業体験、海の学習教室等の交流事業、漁業者支援のための加工品製造・販売事業等を行っています。
近年、共働きなどの国民の生活スタイルの変化により魚介類消費量の急激な減少がみられています。魚介類の消費量の減少が続けば、ますます漁家経営の悪化が進み、将来、水産基地としての機能の低下が懸念されます。一方で、消費者の食材の今後の摂取に関する調査では、現代の生活スタイルに合った「できるだけ簡単でおいしいもの」で、健康志向に対応した「栄養バランスがとれたもの」が求められています。
魚介類は、これまで日本人にとって身近で健康を支えてきた栄養豊かな食材であるとともに日本の食文化を代表する食材です。このまま魚の消費量が減少し、漁業者が減少すれば、我が国の水産業はどうなるのでしょうか。近年、海外では健康ブームから魚介類消費量が増加しており、日本の魚介類輸入量は減少しています。2050年には世界の人口が97億人になると予想されており、日本はますます魚介類輸入がむずかしくなることが予想されます。将来、国内で安定した水揚げを行うためには、後継者を確保して水産基地としての機能を維持する必要があります。私たちは、消費者ニーズに対応した商品開発を進めることで魚の消費を回復させ、若者が漁業に従事したいと思える漁家経営環境をつくりたいと考え、GCFプロジェクトによる寄付金で消費者ニーズに対応した加工品開発及び販路開拓に取り組んでいます。
これまで開発した「唐津めしんしゃー漁師飯」は、2021日本ギフト大賞佐賀賞を受賞しました。漁業者は、自分が漁獲した魚介類を使った商品が、全国からたくさん注文をいただくことになり、驚きと喜びを感じています。