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農業は日本の将来を担う未来型産業

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「農業は日本の将来を担う未来型産業である」
私は、この短い言葉に夢を馳せ２２年前の春、農業の門を叩きました。残念ながら、この偉大なる言葉の持ち主の尊敬する人物はもうこの世にはいません。しかし、今も私の心の中に残っている最大のテーマであり目標であります。この言葉通りの農業への夢を抱き２０１０年２月私は独立しました。
しかし・・・
２０１１年３月１１日午後３時２６分九死に一生の体験をしてしまいました。
黒い大きな波がさっきまで暮らしていた家や電柱が斜めに崩れ落ちていくまるで恐ろしい映画のワンシーンのような光景を目の当たりにした私は、当時生後４ケ月だった長女を胸にしっかり抱き急な竹藪を息絶え絶えによじ登りました。耳元では波が通り過ぎていく音が聞こえ死を覚悟しました。その時心の中で「私にはまだ夢があるんだ！今ここで死ぬわけにはいかない！どうか助けてください」と何度も何度も念仏のように唱えました。必死によじ登った山の頂で後から坂を登ってきた妻を抱き寄せ泣いたあの光景が今でも鮮明に蘇ります。助かった・・・。
奇しくもその日は尊敬する偉大なる方の命日でありました。
「私は生かされた・・・夢を追いかけるために！」
陸前高田は震災後、街全体をかさ上げした結果、広大な使われない土地が生まれてしまいました。農業が陸前高田のための「将来を担う未来型産業」にならないか？　この言葉の意味するものは何なのか？　陸前高田で当てはまるその形は何なのか？　それを考え続けました。農業は食料を作り出しますが、人も創り、育てるのではないかと思うのです。
独立する時に、成功したら財団をつくり「夢を持つ子供に支援することができないか」そんな思いを描いたことがありました。陸前高田のために、そして日本の将来を担う人物を育てる。これがもしかしたら、私の尊敬する偉大なる人物が目指した答えではないだろうか・・・そう思いました。命燃え尽きるまで！夢を追いかけるこれが私の使命です。