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チョイス事業者部門

世代を超え受け継がれる2つの愛情

大分県杵築市

世代を超え受け継がれる2つの愛情

杵築市は昭和30年代からみかんの栽培が盛んなまちです。しかし、少子高齢化の波に抗えず、廃園するみかん農家さんも少なくありません。こうした中で事業承継に成功した、「阿部農園」さんを紹介させていただきます。
園の主である阿部さんは御年74際で、そろそろ代替わりを考える頃でした。後を継ぐにはそれ相応の収入がなければなりません。阿部さんは、次の2つの「愛情」を注ぐことで、収入を確保し、昨年息子さんへの事業承継に成功しました。
まず一つ目が、みかんづくりへの愛情です。「私が教師なら、みかんの木たちは生徒。出荷の際はまさに生徒を送り出す気持ち。毎日一本一本を見て、異変にいち早く気付き、対応する。だからこそ、ウチには一本も痩せた木がない。それが美味しさの秘訣」そう語る阿部さん。現に、阿部さんのみかんを食べるとよそのものは食べられないという人もいるほど。
二つ目は、食べてくれた人への愛情。阿部さんのみかんはふるさと納税の返礼品として提供していますが、農園へ直接電話やFAXがあるなど、リピーターが非常に多いです。阿部さんはリピーターの方一人一人をちゃんと覚えているそうで、奥さんが一人一人に手紙を書き、それが更なる注文に繋がっているとのこと。
こうした、日々いいものを作り、食べてくれた一人一人へのおもてなしを忘れない、阿部さんご夫婦の愛情が、リピーターを掴み、事業承継を成功させました。ご両親を見て美味しいみかんを作ろうとする、息子さん夫婦が、産地としての杵築市のみかんを更に有名にしていくでしょう。

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