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AWARD 2021大賞受賞自治体の取り組み紹介

ふるさと納税を通じて生まれたストーリーや地域で頑張る人を表彰する、ふるさとチョイスAWARD。
ふるさとチョイスはAWARD2021で大賞を受賞した自治体を訪れ、地域の活動やそこで暮らす人たちの想いを伺いました。
今回は福岡県北九州市の取り組みをご紹介します。

福岡県北九州市

チョイス自治体職員部門 大賞 福岡県北九州市ひとりの職員から始まったまちの魅力づくりの輪

海・山・まち、自然と共存する
ものづくりの都市

福岡県の北部、関門海峡を隔てて九州の玄関口とも呼ばれる北九州市。人口約93万人の政令指定都市でありながら、四季折々で豊富な海産物が獲れる海に面し、大パノラマで市内を見渡すことができる皿倉山があるなど、「大都市」と「自然」が共存するまちです。交通の利便性が高く、福祉サービスが充実していることから、子育て世代やUターンにも人気のある住み良いまちとして知られています。また、古くから「ものづくりのまち」と呼ばれ、北九州市ならではの技術と自然の恵みが魅力的な産品を生み出しています。

まちの知名度の低さに感じた
悔しさ

市職員の内海友宏さんは生まれも育ちも北九州市。「他所ではまだまだ知られていない北九州市の魅力をたくさん発信したい」と地元愛を語ります。内海さんは数年前、東京に出向した際のある出来事がきっかけで、よりこの想いを強く感じたそうです。「『北九州』は北部九州を指す言葉として知られていて、『北九州市』という自治体があることを知らない人が多く悔しさを覚えました。」「域外の方々にも北九州市やその魅力をもっと知ってもらいたい、そして応援していただきたい。」その方法を模索していた時にふるさと納税担当に着任しました。

想いを原動力に、
発掘していく地場の魅力

内海さんは手始めに、それまで外部業者に委託していたふるさと納税業務を職員自らが行う方針へ転換。取り扱うお礼の品は北九州市に本社や事業所を構える事業者に限定し、ふるさと納税でいただいた寄付を地場に還元させることや、地域ブランドの強化につながるよう見直しを図りました。ニーズやトレンドをまとめたデータを元に事業者を何度も訪問し提案を続けた結果、それまで178品目だった北九州市のお礼の品は内海さんの着任後、3年間で598品目まで増大。事業者との信頼関係を築きながら、地場の魅力あるモノをお礼の品に加え、磨き上げていく取り組みを続けました。

事業者との二人三脚で取り組んだ魅力づくり

内海さんは事業者に、ふるさと納税に留まらない持続可能な魅力づくりを提案しています。北九州市の海で獲れた新鮮な海産物の加工品を出品する(株)藍島ぶらんど倶楽部の藤野さんは、ふるさと納税への参入をきっかけに内海さんのサポートのもとEC事業を開始。今では首都圏を中心にさまざまな企業と取引し販路を拡大し始めています。無添加石けんの製造販売を行なっている(株)シャボン玉本舗は、内海さんのPR活動のおかげでふるさと納税の申し込みが増加。担当者の髙澤さんは「ふるさと納税をきっかけにシャボン玉石けんというブランドがさらに全国に広がれば」と話します。北九州市にはこの他にも、市内に本拠地を構える地ビールメーカーや織物メーカー、金属加工会社、老舗お菓子屋など多種多様な事業者・生産者が生き生きとものづくりを行っています。

地域を守る、盛り上げる、
シビックプライド

内海さんの取り組みの真価は意外にも新型コロナウイルスの到来を機に発揮されたと言います。さまざまな業界が打撃を受ける中、ふるさと納税に参入していた事業者は地場産品の消費の減収を補うことができたそうです。また、北九州市ではいただいた寄付に対するお礼の品を、寄付者ではなく市内の子ども食堂に寄贈する「思いやり型返礼品」も導入しています。北九州市を応援する人々からのあたたかい気持ちを受け取り、事業者だけでなく市民の間にもふるさと納税による笑顔の輪が広がっています。「自分たちの『まち』は自分たちで創り、守る。」市民が誇れるまちを目指し内海さんの挑戦は続きます。

この地域であなたが
未来に残したいものとは?

“真の豊かさ”に
あふれる、
魅力的なまち

福岡県北九州市 地方創生推進室
(現:北九州市 広報室 広報課)
内海 友宏

ふくおかけん きたきゅうしゅうし福岡県 北九州市

福岡県の北部、九州の玄関口とも呼ばれる人口約93万人の政令指定都市。海と山に囲まれ、大都市と自然が共存するまち。古くから「ものづくりのまち」と呼ばれ、製鉄工場をはじめ世界に誇れる技術を有する産業が数多くあり、夜は幻想的な工場夜景が楽しめる。交通の利便性が高く、福祉サービスが充実していることから、子育て世代やUターンにも人気のある住み良いまちとして知られている。