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未来につながるまちづくり部門
北海道赤井川村
ピンチをチャンスに!地域でデザインする新たな公共交通への挑戦
自治体職員
髙松 重和
北海道赤井川村は札幌市、小樽市など6市町に隣接する四方を山に囲まれたカルデラ盆地という珍しい地形の中に約1,000人が暮らす、「日本で最も美しい村連合」に加盟する農村です。
昭和18年から村の暮らしを支え続けてきた唯一の公共交通である民間路線バスが、全国的な乗務員不足や少子化を背景に令和4年3月末の廃止が決定しました。村にはスーパーはなく、高校もありません。このバスは、村で暮らし続けるためには欠かせない大切な社会資源です。
路線撤退後も安心して村で暮らし続けられるよう、路線廃止まで1年半と時間が迫る中、地域がデザインする新たな公共交通体制づくりを掲げて地域住民との対話を重ね、過疎地が持つ課題解決を進めるためにふるさと納税によるGCFにも初めて取り組み、全国各地の皆様より目標額を超える共感をいただき、新たなバス車両購入費の一部とて活用させていただきました。
バス存続という喫緊の課題から、地場の小さなハイヤー会社と国内有数のリゾート事業者の連携による赤井川村らしい持続可能な運行体制づくりは、村に新たな「仕事」と「雇用」を創出し、「通学環境の向上」をもたらしました。
村を走るバスなので、通称「むらバス」。子ども達の絵で車内を飾ったり、バスに乗りお出かけしたりと「むらバス」は新しい風も運んでいます。元気でいる間は村で暮らしたい、高校3年間は家から通いたいという想いの実現に留まらず、アフターコロナは村民と観光客が乗車するバスとして、今から期待を膨らませています。
シンプルで覚えやすいこのネーミングで親しまれ、全国各地から寄せられた想いを乗せて、この春から運行を開始しています。