2022 エントリー

チョイス自治体職員部門

チャレンジの連鎖を引き起こすふるさと納税

奈良県御所市

チャレンジの連鎖を引き起こすふるさと納税

奈良県御所市(ごせし)。県内の小さな市で、一番有名なのは日本酒。その日本酒も返礼品として登録されていますが、たくさん生産できるわけではないので、寄附金額や寄附件数も限られています。この条件下で、ふるさと納税の業務を通じて住民の生活をどう豊かにできるのかを考えたときに、件数や金額にこだわるのではなく、市内の事業者を活気づけることで地域を盛り上げていこうと、以下の仮説を立てました。
「そもそもこの制度は事業者にとって何一つ損がない制度。手がかかるところや費用は市が負担しているからこそ、事業者は低リスクでチャレンジできるはず。事業者にリスクがないからこそ、事業者の思いを前面に押し出した『心に刺さる』返礼品を出すことができる。知名度の低い御所市を検索して返礼品を選んでもらうよりも、心に刺さる返礼品を検索してもらうほうが手に取ってもらえる人が増える。」
この仮説に基づいて事業者に説明したことで、これまでとは違うこだわりの返礼品がいくつも登録され、たった一件だけで、去年の市のふるさと納税寄附総額の6.5%に達する寄附もいただきました。この結果、事業者の中で、既存の顧客と全く違う人に自分たちの商品を手に取ってもらえる制度だという理解が深まってきており、新商品を開発する事業者も出てきました。
次はこの動きを連鎖させていくこと。新しいことに取り組み、成果を出す事業者が出て、その話を聞いて、自分たちも頑張ってみようと思う事業者が増え、さらに新しい取り組みが始まる。これを繰り返すことで、市内の事業者たちに新しい可能性を見つけてもらいたいのです。

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