2022 エントリー

未来につながるまちづくり部門

GCFの可能性~ファンの気持ちに気づく時~

山梨県甲州市

GCFの可能性~ファンの気持ちに気づく時~

本市では日本に現存する「EF64-18 電気機関車」の最後の2台の内の1台が展示されていますが、風雨でひどく劣化しており市の財政上の理由で塗り直しができない状況でした。そこでふるさと納税によるガバメントクラウドファンディング(GCF)で寄付を募り、EF64の姿を蘇らせる事業を行うことになりました。しかしふるさと納税サイトを見ると、多くの寄附が集まっているのは、魅力的な返礼品、ランキングやコメントの多い返礼品、手ごろな寄附額の品。GCFで寄附が集まるとは到底思えませんでした。ふるさとチョイスの担当者にもアドバイスをもらいながらサイトを作り、関係する部署に声を掛け、現地確認、寄附者参加型のイベント準備を進め、ついにGCFが始まりました。SNSからの応援、鉄道ファンが独自に作成した応援動画、地元マスコミ等の取材など通じ、90日間で目標以上の寄附が集まりました。寄付者の中には「自分が代表して寄附をするけど、実はこどもの分も含まれている」といった声をかけてくださる方がおり、ふるさと納税は「お得」な制度と思っていましたが、本当に応援したいものがあると大人やこども関係なく人は動くんだと気付きました。事業がスタートし寄附者も参加した色の塗り替えの下準備作業や、お披露目会の開催、そして満開の桜の下生まれ変わったEF64を寄附者の方だけなく日本中の方にみていただきました。一部の方の善意が多くの方に幸せな時を届けてくれたように感じました。「本当に必要なもの」をちゃんと伝えることで「応援したい」という人の気持ちを動かすことができる。ふるさと納税は、そのきっかけになるものと気づきました。

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