2022 エントリー

チョイス事業者部門

地域資源の循環で育てる、森のうなぎの養殖事業

岡山県西粟倉村

地域資源の循環で育てる、森のうなぎの養殖事業

推薦者:西粟倉村

地域の資源を活用し、業界の枠を超えた循環の仕組みづくりを目指す「森のうなぎ」の養殖事業を紹介します。

森のうなぎ事業は、村のローカルベンチャーのひとつであるエーゼロ株式会社が取り組んでいます。実は、鰻を中山間地域で育てるメリットは多くありません。それでもこの地で挑戦しているのは、地域の資源をつなげて循環させていくことを目指しているからです。

村は、豊かな森林を残す事業を幹として、間伐材で製品をつくり、森から価値を生み出す流れをつくってきました。しかし、農・林・水産業という枠を超えて、自然資本として価値をつなげることが必要なのではないかと考えるようになりました。そんな中、養殖に必要な水温を保つ燃料として、木くずを活用できると考えたことが事業創出のきっかけとなりました。加えて、従来の養殖場では、成長が遅い故に間引かれる鰻をあえて仕入れたり、廃校の体育館を養殖場として再利用したり、見過ごされてきたものから価値を見出す取り組みが、幾重にも重なっています。
また、もう一つの背景として、人の活動によって生態系が崩れている現状を、中に入ることで少しでも変えてゆきたいという思いもあります。今後は、稚魚の放流など、生物多様性がある豊かな川の復活に向けた活動も計画しています。

これらの活動を支えるために、ふるさと納税を介して「森のうなぎ」を届け、寄附を村や事業で有効活用する経済循環を続けています。

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