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チョイス事業者部門
鹿児島県枕崎市
災害時見据え、高校生が開発!特産品を活用したラーメン、地域活性の一翼に。
鹿児島水産高等学校
山下 寛
枕崎市南東部にある「鹿児島県立鹿児島水産高等学校」は県内唯一の水産・海洋系高校として,実習船教育をはじめ特色ある教育活動を展開しています。SPH※の認定を受け「地元の資源を生かした備蓄可能な製品の開発」という目標のもと、食品工学科では非常食の開発に取り組むことになりました。
まず、生徒たちが始めたのが市内の未利用資源の調査です。すると商品として出荷できていないブリがあることを知り早速缶詰を開発。市に防災用非常食として購入して頂きました。次にもう一つの未利用資源としてカメノテ(甲殻類)に注目。市近辺の海岸で採取ができ、かつ漁業権が与えられていないからです。カメノテを出汁に使ったラーメンは好評でしたが、採取に時間も人手もかかるため大量生産が難しいとの判断のもと、万能醤油ダレとして活用することに。
そして“地元の資源を生かした…”という原点に戻り、市を代表する特産品である鰹節を使おうと考え、製麺会社の協力も得て「枕崎かつおラーメン」が完成しました。ここに到達するまで約2年。試行錯誤を重ねてきた分、完成したときの生徒たちの笑顔は忘れられません。土産物店での販売やふるさと納税にも出品。「おいしい」と好評いただいております。
地元の素材を使い、災害時にも役立てる…人のため、地域のためになることを若い世代に身をもって体験してもらうことで、ふるさとの魅力や資源の大切さ、地域の未来を考えることが、自然に身についてくれてたかなと感じています。今は、次の世代の生徒たちと、同じく地元食材を活用した新商品を開発中です。
※SPH=スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール