チョイス事業者部門
奈良県曽爾村
70余年の米作り 米寿を迎えた萩原さんの特別栽培米への思い
一般財団法人曽爾村観光振興公社
竹川 敏史
奈良県東部の山間部、人口1300人の小さな村で萩原康孝さんはお米作りに励んでいます。
御年88歳の米寿となった萩原さんは今でもお米作りをしています。小学生になった頃には家の手伝いとして稲作に励み、一時は曽爾村で最大の面積で稲作を行う農家となっていました。萩原さんの作るお米は「萩原米」として毎年直売所でも5月に売り切れる大人気商品。大阪から個人的に購入するために直接トラックで引き取りに来るかたもいらっしゃるとのことです。そんな萩原さんが2016年に取り組んだこと。それは特別栽培米への切り替えです。
消費者に喜んでもらえる安心で安全な美味しいお米をつくるために従来の慣行農法をやめました。60年以上慣行農法で作り続けて来た農家が農法を変更するというのは非常に難しく受け入れにくいものです。それを時代のニーズに合わせて柔軟に生産方法を変更した萩原さんの行動はとてつもないエネルギーです。この農法は地域環境への負荷も減らせる生産方法でもあります。曽爾村の農薬を従来の半分以下の量に抑え、化学肥料は一切使わず100%有機肥料で育てるからです。第18回米・食味分析鑑定コンクール国際大会では5600を超える検体から「水田環境特A 」の受賞を受けました。
2023年に米寿を迎えた萩原さんの目標は100歳までお米作りを続けること。本や勉強会で学び、様々な農法で新しい道を切り拓かれていかれることでしょう。