チョイス事業者部門
茨城県境町
住民の意識を変えた!ふるさと納税を活用した花火大会の開催
境町観光協会
萩原 扶美
人口2万4千人の小さなまちへ、年に一回だけ30万人が訪れる日があります。それは、利根川大花火大会。内閣総理大臣賞受賞4大花火師による、日本最大級の打ち上げ数を誇る花火大会です。
日本の風物詩である花火大会。2009年には全国で約6,500件もの大会がありましたが、2020年には約3,000件まで半減。今もコロナ禍や財政難により縮小・中止になる花火大会が多いなか、境町ではふるさと納税を活用し、花火大会を開催しています。
境町の花火大会は音楽花火メインで構成されており、中でも4大花火師によるミュージックスターマインの競演は圧巻の一言です。今年の利根川花火大会は9月中旬の3連休にあわせて開催しました。その理由は、進学や就職で、境町を離れてしまった方々に、お盆や年末年始のほかに、境町へ戻ってきてもらえる機会を作りたかったのです。もっと境町の花火を見てほしいと、コロナ禍に成人された方289名も、花火大会に招待させていただきました。
こうした取り組みの結果、想像もしていなかったことが起きました。これまでは「境町には何がある?」と聞かれても「何もない」と答えていた方々が、今では、自信を持って「3万発の花火大会を開催するよ」と答えるほど、住民のみなさんにとっても誇りに思ってもらえる大会になったのです。そして、全国の皆さまにも利根川大花火大会を通じて、境町を知っていただく大きな機会になりました。
こうした取り込みができているのも、ふるさと納税のおかげです。これまでに、境町には「花火大会の開催に使ってほしい」と、約5憶4千万円のご支援をいただいております。また、花火大会の観覧席もふるさと納税返礼品として掲載し、454件1,700万円のお申込みをいただき、大会当日には多くの寄附者の皆さまにも花火を楽しんでいただきました。 今後もより一層、ふるさと納税を活用した利根川大花火大会をきっかけに、境町のファンや関係人口を継続的に創出するとともに、住民のシビックプライドを高められる持続可能な大会にしてまいります。