チョイス事業者部門
鹿児島県喜界町
「コーラをもっと、味わうものへ。」
自治体職員
實 浩希
仕事のため東南アジアで生活していた頃、多彩な顔を持つスパイスに魅了された二人は元々、外資系の旅行会社でウェブデザイナーと営業マネージャーをしていた。
小さな商店などで売られていた自家製ハーバルドリンクをまねして作りはじめたことと、そして奥様の出身地である喜界島で昔から育てられてきた在来種の島みかんの存在がコーラを作るきっかけだった。島の各家庭の庭先で育てられており、いたるところで島みかんの木を見ることができる。
それまで、香りと成分に希少価値があるものの流通が難しく収穫されずに朽ち果てていたが、フードロスになっていた島みかんを利用して島を活性化させたいと思い立ち、無農薬の島みかんを使ったクラフトコーラを作ることにしたのだ。こうして始まったコーラ作り。コーラの抽出はもちろん、ロゴやパッケージのデザイン、商品撮影からウェブ製作、ブランディングに至るまで、すべて自分たちの手で作り上げている。
在来種の島みかんに島産きび糖、コーラナッツなどの14種類のスパイスを調合し独自の手法で抽出。100%自然由来にこだわり、種類によってスパイスを手挽きをし、深い味わいとまろやかさを作り出している。ここ最近は、子供たちの活動の一環で収穫を手伝ってもらったり、地域の方と作業を行ったりと活動が広がってきた。どんな場所からでも発信できる。そう信じて南の小さな島から、海を越え世界に向けてものづくりに挑んでいる。