チョイス自治体職員部門
新潟県三条市
民間→市役所:自律・自走する行政職員を残す!
自治体職員
澤 正史
2年前、エンタメの世界から三条市CMO(最高マーケティング責任者)、市役所職員に転身、新潟へ移住した。傍観者ではなく、当事者として閉塞感のある日本に関わりたかった。
その業務の大きな一つとなったのは、ふるさと納税。この事業を通して地域をブレイクスルーさせたいと思っていた。まず結果を残さないと事業者にも職員にも納得感がない。今まで培ったビジネス力とチームの努力で「ものづくりのまち」、「アウトドアのまち」三条のポテンシャルを引き出し、数字を上げた。
最初の半年で寄付額は7億円から倍の15億円、翌年は職員チームを編成して50億円にまで伸びた。体制や仕組み化はできた。ただ、自分にとってもっと意義があるのは自律した人を残すこと。判断すること、チームをリードすることはどういうことかを背中で見せてきた。日々、メンバーへのフィードバックを繰り返した。特に理念を大切にして、正面から寄付者の皆様や事業者と向き合うことこそがこの制度を本来的に活用することであり、三条市にもっともメリットのあることだとチームに伝え続けた。今年はチームに実務も判断もかなり任せるようになった。最初は何でもかんでも聞いてきた職員が自分の意見を述べ、後輩を育成している姿を見ると感動して、ちょっと泣きそうになる。
自分の頭で考え、自ら動く。寄付額も大事だが、そんな公務員を残せたことが最大の成果だったのではないかと思う。