未来につながるまちづくり部門
静岡県富士市
「競争」ではなく「共創」する紙のまち富士市へ
自治体職員
渡邉 祐華
富士山麓に位置する富士市は、豊富な水資源、原料である木材の供給地や製品の消費地への近接などを背景に、明治期以降の近代製紙産業が集積し、全国有数の「紙のまち」として発展してきました。
なかでもトイレットペーパー、ティッシュなどの家庭紙については、国内屈指のシェアを誇っており、とりわけトイレットペーパーの生産量は全国の約4割を占めています。 ふるさと納税においても、一番人気の返礼品はやはりトイレットペーパーで、寄附全体の7割を占めています。
トイレットペーパーの掲載数は100件を超え、多くの製紙メーカーが集積する地域だからこそ、様々な種類のこだわりのトイレットペーパーがあり、寄附者様にもきっとお気に入りのトイレットペーパーを見つけて頂けると自負しています。しかし実際には、返礼品はメーカーごととなっており、様々なメーカーのトイレットペーパーを寄附者様に手に取って頂くのは物理的に難しい状況にありました。
それならば、企業の枠を超えて、詰め合わせセットを開発すれば良いのでは?と思いつき、メーカー様にご協力をお願いし、1度に様々な種類のトイレットペーパーを試して頂けるセットを開発しました。本来なら競争関係にある市内メーカーが共に創った詰め合わせセット。ふるさと納税、そして「紙のまち」だからこそ実現した「共創」のかたちです。ふるさと納税を活用し、市内企業が元気になるまちづくりを進めていきます。